遺品整理で車を処分する方法!売却や廃車・譲渡の手続きと注意点を解説
「故人の車が残っているが、どのように処分すればいいかわからない」
「遺品整理の結果、車を相続することになった」
車は処分や手続きが複雑なため、上記のようにお困りの方もいるでしょう。
そこで本記事では、遺品として残された車の処理に関する重要な確認事項と4つの選択肢について詳しく解説します。
まず押さえておくべきは、名義変更が必要だということです。これを怠ると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。次に、相続人間での話し合い、車検証での所有者確認、ローン残債の確認など、必須の確認事項を順を追って説明します。
車の処分方法がわからないという方は、ぜひ参考にしてください。
また当社エコトミーでは、一都三県を対象に遺品整理サービスを提供しています。
遺品整理に関する些細なご相談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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遺品として残された車の確認事項
遺品整理の過程で車が残された場合、適切な処理を行うためにはいくつかの確認事項があります。これらの確認を怠ると、後々トラブルに発展する可能性があるため、慎重に対応しましょう。
最初に行うべきことは、名義変更です。名義変更は、車の今後の使用方法や処分方法に関わらず、必ず行わなければなりません。
所有者が亡くなった時点で、その車は法律上、相続人全員の共有財産となります。そのため、車の価値や状態に関係なく、相続手続きと名義変更が必要となります。たとえ古い車や故障寸前の車であっても、それは依然として「資産」として扱われます。
重要なのは、所有者以外の人が廃車やその他の手続きを行うことは原則として不可能だということです。つまり、相続手続きと名義変更を行わずに車を処分したり、他の人に譲渡したりすることはできません。
したがって、故人の車を適切に処理するためには、まず相続手続きを行い、名義を変更することが不可欠です。相続人はこの点を十分に理解し、速やかに必要な手続きを進めましょう。
ここでは、遺品として残された車を処理する際に必ず確認すべき事項について詳しく解説します。
相続人間での話し合い
遺品として残された車の処理を円滑に進めるためには、相続人間での話し合いが不可欠です。
まず、車の処分方法を決定します。これには、車を売却する、相続人の誰かが引き継いで使用する、第三者に譲る、または廃車にするという4つの選択肢があります。それぞれメリットとデメリットがあるため、故人の意思や相続人の状況を考慮しながら慎重に検討しましょう。
次に、相続人の誰かが車を引き継ぐ場合、誰が使用するかを明確にします。車を引き継ぐ人は、維持費や税金、保険などの責任も負うことになるため、十分な話し合いが必要です。
最後に、車を売却する場合は、その収益をどのように分配するかを決めます。これは相続人全員が納得できる公平な方法で行う必要があります。
話し合いの内容は、後々のトラブル防止のために書面にまとめておくことをおすすめします。
車検証で所有者と車種を確認する
次に、車の所有者の確認が必要です。車検証に記載されている所有者名が故人であることを確認します。もし所有者名が他の第三者(例えばディーラー)であった場合、その車の相続手続きは発生しません。
車検証(自動車検査証)は、車両の所有者や車種を確認するうえで重要な書類です。2023年1月以降に発行された電子化された車検証では、所有者情報がICタグに格納されているため、「車検証閲覧アプリ」を使用してセキュリティコードを入力し、ICタグを読み取る必要があります。
車検証で確認できること
- 車両の登録番号または車両番号
- 登録年月日・交付年月日・初度登録年月
- 自動車の種類
- 用途・自家用、事業用の別による区分
- 車体の形状
- 車名
- 乗車定員
- 最大積載量
- 車両重量
- 車台番号
- 所有者の氏名や住所
- 使用者の氏名や住所
- 使用の本拠の位置 など
また、「自動車検査証記録事項」を参照することで、より詳しい所有者情報や車両の履歴なども確認できます。
ローン残債の有無をチェックする
故人が車を購入する際にローンを組んでいた場合、名義変更や売却を行う前にローンを完済する必要があります。
車検証をチェックし、所有者名が信販会社やディーラーになっている場合は、ローンが残っている可能性があります。この場合、直接ディーラーや信販会社に問い合わせて、支払い状況を確認しましょう。
ローンが残っている場合は、相続人が返済を引き継ぐか、車を売却して残債を清算するなどの対応が必要となります。
遺品整理で車を処分する4つの選択肢
遺品整理の過程で車を処分する場合、主に4つの選択肢があります。これらの選択肢は、故人の意思や相続人の状況、車両の状態などによって最適なものが異なります。
ここでは、これら4つの選択肢について詳しく説明します。
相続人が引き継いで使用する
相続人が故人の車を引き継いで使用する場合、以下の手順で手続きを進めます。
①相続人間での合意形成
まず、相続人全員で話し合い、誰が車を引き継ぐかを決定します。この合意内容は遺産分割協議書に記載します。
②必要書類の準備
- 印鑑証明書
- 実印を押した委任状
- 自動車検査証
- 戸籍謄本
- 車庫証明書
- 遺産分割協議書
- 譲渡証明書 など
詳細は手続き方法によっても異なるため、不安な場合は行政書士などの専門家に相談してみましょう。
参考:JAF|[Q]クルマの持ち主が死亡した場合、どういう手続きが必要ですか?
③名義変更手続き
準備した書類を持って、最寄りの運輸支局で名義変更手続きを行います。
④自動車保険の変更
名義変更後、自動車保険の契約者変更手続きを行います。
⑤自動車税の納付確認
未納の自動車税がある場合は、納付します。
注意点として、ローンが残っている場合は、完済後に手続きを進める必要があります。
第三者へ譲渡する
車を第三者へ譲渡するには、まず相続人の名義に変更し、その後第三者へ名義変更する二段階の手続きが必要です。
相続人への名義変更には、戸籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書などの書類を準備し、陸運局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で手続きを行います。
次に、第三者への名義変更を行います。この際、譲渡証明書、印鑑証明書、実印などが必要となります。手続きは陸運局で行いますが、ディーラーや行政書士に代行を依頼することも可能です。
中古車として売却する
遺品として残された車を中古車として売却する選択肢には、いくつかのメリットとデメリットがあります。
メリットとしては、まず経済的な利益が挙げられます。車を売却することで現金化でき、相続財産の分配に活用できます。とくに車の状態が良好な場合は、高額での買取も期待できるでしょう。
また、自動車税や保険料、メンテナンス費用など、車の維持にかかる継続的な支出を避けられるのも大きな利点です。
さらに、専門業者に依頼することで煩雑な手続きを代行してもらえるため、相続人の負担を軽減できます。加えて、車の保管場所に困っている場合、売却することでその問題を解決できます。
一方で、デメリットも存在します。名義変更や必要書類の準備など、手続きが複雑で時間と労力がかかる場合があります。また、時間の経過とともに車の価値が下がるため、迅速な対応が求められます。
買取価格に関しては、適正価格の判断が難しく、不当に安い価格で買い取られるリスクもあります。個人売買の場合は、詐欺や支払いトラブルなどのリスクも考慮する必要があるでしょう。
これらのメリットとデメリットを踏まえた上で、中古車として売却する場合は、複数の買取業者に見積もりを依頼し、比較検討することが重要です。また、車の状態や事故歴を正確に伝え、トラブルを防ぐことも大切です。
廃車にする
故人の車を廃車にする場合、普通車と軽自動車で手続きが異なります。
軽自動車の場合は、相続の書類なしで廃車手続きが可能です。まず廃車手続きをする人へ名義変更し、通常の廃車手続きを行います。
普通車の場合は、遺産となるため相続手続きが必要です。所有者を故人から法定相続人に変更したあと、新所有者が廃車手続きを行います。
廃車は「永久抹消登録」を指し、自動車登録を完全に抹消する手続きです。車体は解体業者に引き取ってもらい、ナンバープレートを返却してもらいます。
必要書類を揃え、陸運事務所でナンバープレートとともに提出します。抹消登録証明書の交付をもって手続きは完了します。
なお、一時的に使用しない場合は「一時抹消登録」という選択肢もあります。この場合、再登録までは車に乗れませんが、将来的に再利用する可能性がある場合に適しています。
まとめ
遺品として残された車を適切に処理するためには、まず名義変更を行い、相続人全員で話し合いすることが重要です。その後、車の状態や相続人の状況を考慮し、最適な処分方法を選択しましょう。
どの選択肢を取る場合も、法的手続きや必要書類の準備は複雑です。不安な点がある場合は、専門家のアドバイスを求めることをおすすめします。遺品整理における車の処理は、慎重かつ迅速な対応が求められます。
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