身寄りなしでも終活すべき理由とは?すべきことや必要な契約を解説
終活は残される家族や、最期を迎える前に自分の人生を見直すために行われることの多い作業です。
終活しなければ、大量に遺品が残されるため処分に労力がかかります。また、相続でトラブルが起きる可能性もあるでしょう。
中には、身寄りがいないので終活する必要がないと考えている方もいるかもしれません。ですが、身寄りがないからといって終活を疎かにしてはいけません。
本記事では、身寄りのない方が終活すべき理由やすべきことについて解説します。
終活する意味を見出せない方は、本記事を参考に終活への理解を深めていただければと思います。
この記事を読むための時間:5分
そもそも身寄りなしってどんな状態?
身寄りなしとは、いざというときに頼れる家族や親戚がいない状態のことを指します。
親がすでに亡くなっている、子どもがいない、配偶者に先立たれているなど、さまざまなパターンが存在します。
親戚がいたとしても、疎遠になっており連絡が取れない場合も身寄りがないといわれることが多いです。
高齢化が進み、身寄りのない方の数が増えているため、身寄りのない方の終活をサポートする企業も増えています。
身寄りなしでも終活すべき理由とは?
身寄りなしでも、以下の理由で終活を行う必要があります。
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孤独死に気づいてもらうため
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身元保証人や身元引受人を見つけるため
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相続に自分の意思を反映させるため
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葬儀や埋葬のやり方を選択するため
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周囲の負担を軽減するため
それぞれ解説します。
孤独死に気づいてもらうため
身寄りがない方の問題としてあげられることが多いのが、孤独死のリスクです。
身寄りがなければ、亡くなったとしても発見までの時間が遅れてしまうため、腐敗が進む恐れがあります。
終活を機に孤独死を避けるための見守りサービスを利用すれば、孤独死に気づいてもらえるようになるでしょう。
また、身寄りのない方は孤独になりやすいため、終活することで残りの人生の過ごし方を決めることで社会とのつながりが生まれます。
終活は孤独死のリスクを低下させることにもつながります。
身元保証人や身元引受人を見つけるため
病気になって入院したり、介護施設に入所したりする場合、身元保証人や身元引受人が必要になります。
元気なうちはどちらも必要ありませんが、どのタイミングで必要になるかはわかりません。
終活で身元保証人や身元引受人になってくれる親族を探しましょう。
また、身元保証をしてくれるサービスもあるため、身寄りがどうしても見つけられない方はこちらのサービスを検討するとよいでしょう。
相続に自分の意思を反映させるため
終活をしなければ、自分の意思とは異なる方向に相続が進んでしまう可能性があります。
配偶者は常に相続人となり、それ以降は子どもや孫、親や祖父母、兄弟や甥姪という優先順位になっています。
身寄りがいない方は、疎遠になっている兄弟に渡ってしまうかもしれません。不仲な状態で相続されてしまうのは好ましくないでしょう。
また、相続人になる人がいなければ国のものになってしまうため、国のお金になるのが嫌な方は相続人を決めておきましょう。
相続は家族以外の第三者や団体への寄付も可能になるため、自分の意思を反映させられます。
葬儀や埋葬のやり方を選択するため
死後に葬儀や埋葬のやり方を選択するのは親族です。希望するやり方があっても伝えておかなければ希望通りにはならないでしょう。
また、親族がいない場合は自治体が行ってくれますが、最低限の内容となります。
身寄りがないからといって、弔ってくれる方がいないわけではないはずです。エンディングノートに葬儀や埋葬のやり方を決めて記載しておけば、自分の望む方法で行える可能性が高くなります。
周囲の負担を軽減するため
身寄りがいなければ、さまざまな形で周囲に負担となるでしょう。
孤独死してから長時間経過することで、腐敗臭が近隣に漏れて迷惑になることもあります。自宅の特殊清掃や遺品整理も手間がかかるでしょう。
また身寄りがおらず、疎遠になっていた親戚の元に連絡が届くと困惑されるでしょう。
最期を迎えるときに、葬儀や埋葬、相続、遺品整理、形見分けなどの作業が何のトラブルもなく進行できるとは限りません。
周囲の負担を軽減するためにも終活を行いましょう。
身寄りなしの方が終活ですべきこととは?
身寄りなしの方が終活ですべきことを紹介します。
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エンディングノートの作成
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遺言書の作成
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生前整理
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死後事務委任契約を結ぶ
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任意後見契約を結ぶ
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財産管理等委任契約を結ぶ
一般的には必要なくても、身寄りのないため必要になる作業もあるため、確認しておきましょう。
エンディングノートの作成
エンディングノートは、自分に関する情報や家族への想い、葬儀や埋葬の希望などを記載するノートです。法的な効力はありませんが、自由に書ける特徴があります。
自分の身に何かが起きたときに利用でき、死後の手続きを行いやすくする特徴もあります。
判断力が鈍ることもあるため、元気なうちに以下などの内容をまとめておきましょう。
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自分の生年月日・本籍地
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死亡時の連絡先
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親族の名前と連絡先
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家族に関する情報や家系図
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健康保険証・年金手帳・通帳・印鑑などの保管場所
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デジタル情報
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保有している財産
- 介護や延命治療の希望
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身元保証人や身元引受人に関すること
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葬儀や埋葬に関すること
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契約している制度やサービス
遺言書の作成
遺言書を作成することで、相続先を自分の意思で選択できるようになります。
相続に関する内容をエンディングノートに記載することは可能ですが、法的効力を持たないためそのまま相続に反映させられません。
相続人がいなければ国のお金となってしまうため、国庫に入れたくない方は必ず遺言書を作成しましょう。
生前整理
生前整理は身の回りの不要なものを断捨離し、整理整頓することで快適な暮らしを手に入れるために行われます。
生前整理しておけば、遺品整理の手間が軽減され、エンディングノートなどの必要なものを見つけてもらいやすくなります。
体力が低下することで、片付けや掃除が難しくなったり、物忘れがひどくなり、必要なものを見つけるのに手間がかかることもあります。
生前整理しておけば、それらの労力がかかりにくくなるため、元気なうちに生前整理しておきましょう。
死後事務委任契約を結ぶ
死後事務委任契約は、死後に必要となる相続以外の事務的な作業を依頼する契約のことです。
- 死亡届の提出
- 葬儀の手配
- 葬儀に来てほしい方への連絡
- 遺品整理
これらの作業を依頼することになります。身寄りがいないことで、疎遠になっている親戚の手を煩わせたくない方が行うべき作業です。
任意後見契約を結ぶ
任意後見契約は、判断能力の低下に備えて、財産を管理してくれる方を決めておく契約です。正常な判断ができている間は効力を発揮しません。
自分の意思で後見人を選択でき、契約内容も細かく設定できます。
財産管理等委任契約を結ぶ
財産管理等委任契約は、財産管理できなくなった場合に、第三者に財産管理してもらうための制度です。
任意後見契約と違い、本人の判断能力が低下していなくても効力が発揮されます。
死後事務委任契約、任意後見契約、財産管理等委任契約はセットで考えておくとよいでしょう。
まとめ:身寄りなしでも終活は必ず行おう
身寄りなしの方でも終活のメリットが豊富にあることが理解できたことでしょう。
人生の最期に誰かの手を煩わせたくないと考える方は少なくありません。
残された人生を有意義にするためにも、終活は必ず行いましょう。
エコトミーでは終活の作業の一つである生前整理や、生前整理で出た不用品の処分を行っています。
終活をサポートいたしますので、一人で終活を行うのが難しい方はぜひご連絡いただければと思います。